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Note1.成年後見制度の注意事項

成年後見制度の注意事項を説明しますね。

司法書士
Dさん

お願いします。

まず、成年後見制度の利用には、家庭裁判所への手続が必要です。
後見開始の審判」を申し立てるのですが、その際は、診断書等、色々な資料が必要になります。
申立てをしてから、後見開始の審判が出て、成年後見人が選任されるまでは、事案によりますが、1ヵ月~4か月かかります。

司法書士
Dさん

結構、時間がかかるのね~。
何だか、遺産分割協議のためだけに、大がかりだわね。

いえ、目的としていた遺産分割協議などが済んだからといって、成年後見人がお役御免になるわけではないんです。
成年後見人は、本人又は後見人自身が死亡するまでずっと、本人の「シンジョウカンゴ」や財産管理を続ける必要があるんです。
そして、後見人は定期的に家庭裁判所に対して、後見事務の報告書を提出しないといけません。

司法書士
Dさん

ええっ、1回選任したら、一生続くの~
ところで、「シンジョウカンゴ」って何ですか?

ああ、「身上監護」ですね。
具体的には、施設入所や病院の手続などを代理してすることをいいます。
なお、介護は含みません。

司法書士
Dさん

そもそも成年後見人って誰がなるんですか?

基本的には、後見開始の審判の申立人が、後見人の候補者をたてて、申立書に記載します。
資格が必要なわけではないので、相続人ではない親族を候補者に立ててもOKです。
ただ、親族を候補者として記載しても、必ず後見人として選任されるわけではなく、裁判所の判断で、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることもあります。

司法書士
Dさん

その場合、全然面識のない専門家が選ばれることもあるんですか?

候補者と異なる人を、裁判所が選ぶときにはそうなりますね。
しかも、その後見人が気に入らないからといって、簡単に解任はできません

司法書士
Dさん

ええ、何ですか、それ。
なんか解せないですね。

ただ、ちょっと前までは、親族を候補者としていても、専門家が選ばれてしまうことがほとんどだったのですが、2019年に最高裁が後見人について、「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示したので、最近は、かなりの割合で親族後見人が認められているようですね。
とはいえ、親族後見人が本人の財産を使い込むなどの不正案件も多いので、専門家の方が安心ということで、自らが選んだ専門家を候補者として、申立書を作成する案件が、最近では大半のようです。

司法書士
Dさん

そうなんですね。
ちなみに、成年後見人って報酬はどうなるんですか。
親族後見人の場合、無償で動く形になるんですか?

いえいえ、成年後見人は誰でも報酬をもらえます
ただ、成年後見人の報酬は、家庭裁判所に後見人報酬の申請をして、家庭裁判所が額を決定します。
報酬の申請は、半年に1回や、1年に1回のペースで行います。
従いまして、一括でもらうわけではなく、定期的にもらう形です。

司法書士
Dさん

報酬って大体どれくらいなのでしょう。

本人の財産や業務の複雑性によっても変わりますが、標準的には月2万円くらいの計算です。ですから、年間24万円が、本人の亡くなる時までかかり続けるということになりますね。
ただ、これは、申立人ではなくて、本人の財産から支払うことになりますが。

司法書士
Dさん

それ聞くと、考えちゃうわね~。
母の生活が苦しくなっちゃう。

後見人報酬の申請は義務ではないので、親族が後見人となっている場合には、報酬申請しないことも多いです。
一方、親族以外の専門家が成年後見人となる場合には、当然、報酬を伴いますので、本人の財産に報酬支払の余裕があるかどうかも検討しなければなりません。

司法書士
Dさん

「成年後見制度」って結構悩ましい制度ね。
慎重に検討しないと。

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