遺産分割

ケース6.生命保険金の受取人として相続人の一人が指定されている

Dさん

母が亡くなり、法定相続人は私と弟です。
母の介護はほとんど私がやってきたので、母が、私を受取人として生命保険金200万円をかけてくれていました。

弟様を受取人にする生命保険金はあったのですか。

司法書士
Dさん

いえ、私のものだけです。
だから、弟はかなり不服なようです。
生命保険金も遺産として分割しなければならないのでしょうか?

いえ、生命保険金は原則として遺産ではないため、遺産分割の対象になりません
ただ、例外的に遺産となる場合もありますので、注意が必要です。
生命保険金が遺産となるかどうかは次のように判断されます。

司法書士

保険契約者・被保険者が死亡者で、保険金受取人も死亡者の場合
→自己のために生命保険契約を締結したものと考えられるので、保険金の請求権は、遺産に含まれ、遺産分割の対象となる。

保険契約者・被保険者が死亡者で、保険金受取人が死亡者以外の特定人の場合
→ 他人のために生命保険契約を締結したものと考えられるので、その特定人が固有の請求権をもつことになり、保険会社から保険金を直接受け取ることになる。
よって、保険金は受取人自身の財産であり、遺産ではない。

Dさん

私の場合、②にあたるわ。

Eさんの場合、受取人に指定されていますから、生命保険金はEさん固有の財産です。
遺産ではありませんので、分割する必要がありません。

司法書士
Dさん

そうなんですね。
安心しました。

ただ、少し難しい話になりますが、念のため補足しておきます。

仮にもし、弟様が、「特別受益だから持ち戻し計算すべき」と言ってきたとしても、最高裁判例(平成16年10月29日)は、「著しく不公平にならない限り、生命保険金は特別受益にあたらない」と判示しています。
Eさんの場合、介護もしていたわけですし、保険金の額も高額な訳ではないので、一般的には特別受益にあたらないと考えられます。
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司法書士

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