遺産分割

ケース3.相続人の中に未成年者がいる

Eさん

私と子供二人で、マンションに住んでいるのですが、
このマンションが、五年前に亡くなった夫名義のままになっているんです。
これをどうしたらよいのでしょうか。

遺産分割協議のうえ、相続登記をして、登記名義を変えましょう。
なお、お子様はおいくつですか?

司法書士
Eさん

上の子は16歳、下の子は14歳です。

まだ未成年者なのですね。
この場合、遺産分割協議の前にしなければならないことがあります。
それは、「特別代理人」の選任です。

司法書士
Eさん

と、特別代理人?
何ですか、それ。聞いたことないです。

親権者と未成年者との間で、遺産分割協議をする場合には、特別代理人を家庭裁判所に選任してもらわなければならないと、民法で定められているのです。
選ばれた特別代理人が、未成年者を代理して、母やその他の子との間で協議を行うことになります。

司法書士
Eさん

ええっ、わざわざ家庭裁判所で、選任してもらわないといけないんですか。
そもそも、何でそのようなことが必要なんでしょうか。

説明しますね。

司法書士

民法上、未成年者(18歳に達しない者)は、単独で、有効な法律行為(例えば売買や贈与等の契約)ができません。
→法律行為をするには、通常、親権者が代理して行うか、親権者の同意が必要となります。

しかし、もし、遺産分割協議を、親権者が未成年者を代理して行うと、「利益相反行為」となってしまいます。
つまり、親権者である母と未成年者は、協議の当事者同士であり、母の相続分を増やせば、未成年者の相続分が減るという利害が対立する関係にあります。
場合によっては、母が自己の利益のため、自分の取り分を増やし、未成年者の取り分をわざと減らす危険性もあるのです。

利益相反にならないよう、未成年者には特別代理人をつけて、親権者と特別代理人でもって協議をする形にしているのです。

司法書士
Eさん

では、私は一切とらずに、子供二人が半々で名義をとるようにすれば、それぞれの子供には不利益にならないので、特別代理人の選任はしなくて大丈夫ですよね。

それが、判例では、全員を平等に取り扱うように考えて、現実にも不平等の結果になっていない場合でも、利益相反だとされています。
ですので、「親権者と未成年者が遺産分割協議をする場面」というだけで、特別代理人が必要なんです。

司法書士
Eさん

ええ~。
でも特別代理人って、具体的に誰なんですか~?

一般的に、特別代理人に選任されることが多いのは、未成年者の祖父祖母伯父・伯母などの、相続人ではない親族ですね。
特に資格などはないので、身近な人になってもらえばOKです。
特別代理人の選任申立書の候補者の箇所に、その人の名前を書いていきます。

司法書士
Eさん

じゃあ、私の母に、特別代理人になってもらおうかしら。

それが、未成年者が二人以上いるときは、それぞれの子のため、別々の特別代理人が必要なんです。
なので、あと一人必要です。

司法書士
Eさん

では、私の父にも声をかけてみます。
とはいえど、家庭裁判所に対する手続なんて、できるか不安だわ。
先生にお願いすることもできるのですか?

もちろんです。お任せください。

司法書士

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