遺言書

遺言書を作るべきケース③ 子のいない夫婦の場合

Bさん夫婦

わしたちには子供がいないし、わし名義の自宅や財産は全部妻にいくんだから、遺言書なんて作る必要はないよ。ははは

あー、ちょっと待ってください。それは大きな誤解ですよ。
お子さんがいないご夫婦こそ、遺言書が必要なんです。

司法書士
Bさん夫婦

どういうことですか?

お子さんがいらっしゃらない場合、必ずしも奥様に全て財産がいくとは限りません。
直系尊属や兄弟姉妹がいる場合には、相続人が奥様だけではないのです。
具体例(以下の図)を用いて、2パターン説明しますね。

司法書士
子のいない夫婦の場合

夫が亡くなった場合を前提に説明します。

司法書士

① 被相続人の直系尊属(たとえば夫の父と母)と、配偶者が相続するパターン

この場合の法定相続分は、夫の父母あわせて1/3、配偶者が2/3になります。

もし、妻が夫名義の自宅を単独で取得したり、預金の解約手続をしたければ、夫の父母と遺産分割協議をする必要があります。
仲が良ければいいのですが、折り合いが悪い場合には、分割協議を言い出せなかったり、揉める可能性があります。
それどころか、夫の父母同士が不仲で別居したり、離婚をしている場合には、双方に遺産分割協議に応じてもらえるよう求める妻の負担は大きくなります。
また、夫の父母に認知症があるようであれば、そのままでは遺産分割協議はできませんので、成年後見制度を利用するため、家庭裁判所に後見人の選任の申し立てをしなければなりません。

Bさん夫婦

わしの両親はもういないので、これには当たらないな。

② 被相続人の兄弟姉妹と、配偶者が相続するパターン

この場合の法定相続分は、兄弟姉妹全員で1/4、配偶者が3/4になります。

このときも、①と同じように、妻が夫名義の自宅を単独で取得したり、預金の解約手続をするには、夫の兄弟姉妹と遺産分割協議をしなければなりません。
しかし、兄弟姉妹の人数が多い場合や、行方不明の人がいる場合には、居場所を探し、連絡をすること自体相当な苦労を伴いますし、連絡がついたとしても、全員から合意を取り付けるのに、かなり神経をすり減らすことになります。

さらに大変なのは、兄弟姉妹が夫よりも先に亡くなっていた場合です。この場合、その子たちに代襲相続が起こり、相続人の人数はさらに増えることになります。

これは、あくまで、私の経験上の意見に過ぎませんが、配偶者と面識がない代襲相続人については、いわば全くの赤の他人ですから、情に訴えても、なかなか配慮してもらえないことが多いですね。
それに、代襲相続人は比較的年齢が若いことから今後の生活を考え、自己の法定相続分を強く主張して、なかなか妥協しない傾向があるように思います。
よって、代襲相続が起きていると、更に分割協議はまとまりにくいですよ。

司法書士

Bさん夫婦

もし、わしがあの世へ行くと、相続人はわしの兄弟と、妻ということになるな。
ただ、姉はもうこの世にはいなくて、子が二人いるし、兄は認知症になっている…
このままだと妻に負担をかけることになるのか。それはまずいのう。

Bさん夫婦

あなた、是非遺言書を残しておいてくださいな。

ご夫婦それぞれ遺言書をお作りになっておくことを、強くお勧めします。

司法書士

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